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放課後。

わたしと鈴原くんはお互いに俯いて
黙っていた。


沈黙が、わたしの心を削り取っていく。


その空気に耐えきれなくなって、
わたしは地面を見つめたまま
鈴原くんに、
しゃべりかけた。


「…あの、呼び出してごめんなさい。
どうしても、言いたいことがあって…。」

鈴原くんの視線を前から感じる。
頭がグラグラするけど、
なんとか言葉を繋ぐ。

「…わたし、
昨日は謝ってくれた人に対して
逃げたりしてひどい態度でした…。
ごめん、なさい。
…でも、わたし、昔のことは忘れたいの。
だからもう関わらないで、ください。」


…い、言った。
怒鳴られる、かな…。


「………俺こそ、七瀬の気持ち考えてなくてごめん。
もう、関わらないから。
ほんとに、ごめんな。」


鈴原くんは
見ている方が苦しくなるような顔で
力なく言った。


「……。」

こんな返答は、予想してなかった。
怒鳴られるなら、まだ
わたしだって頑張って反論しようとしたかもしれなかった。

なのに、
なんであなたがそんな顔するの?
苦しいのはわたしなの、に。