鈴原くんは、
ポカーンと口を開けて
びっくり顔。

そりゃあ、昨日謝って逃げられたやつに
いきなり声かけられたらそうもなるだろう。

でも、わたしは引けない。

「昨日の、とこ、放課後、
きてくださぃ…。」

語尾は小さくなっちゃったけど、
言えた!!!!

わたしは言い終わるやいなや、
すぐに自分の席について、
愛読書を開いた。

タイトルは
「コミュニケーション力が抜群になる本!」


でも心臓の音がうるさすぎて
何も内容が入ってこなかった。