97〜ninety-seven〜

4月の終わり

家の近所の公園でベンチに座る。
風が吹く。桜の花が散っていく。目の前にある木は最後の一枚が散りそうだった。

時間よ止まれ!

と願ったところで、桜の花は散った。さくらを見ると静かに眠っていた。

今から何をしよう。

空を見る。希望に満ちたような空

「さくら、さくら起きて!」
「おはよう。どうしたの?」
「どうしたの、って寝てたやん」
「寝てちゃダメ?」
「ダメじゃないけど、風邪引くよ」
「心配してくれてありがとう。じゃあ、どっか買い物行こうか」
「どこ行く?」
「梅田かなあ。でもいつも行ってるしなあ」
「難波とかにする?」
「もう昼下がりやし、出掛けるのやめようか」
「もう帰ろう。眠い」
「うん」
「そしたら、帰ろう。」

八雲とさくらは家に帰った。

家で八雲はテレビを見る。けれど、めぼしいものはなく、すぐに消した。
新鮮なものはこれといってない。何もない月曜日。

八雲はいつの間にか寝ていた。目覚めると夜だった。
電気が点いていないのでなんとも言えないが、寝ているところが、なぜか家のベッドと雰囲気が違っている気がした。
少し前までいた病室のような……。

八雲の手元には、ベッドにうつ伏して、座って寝ている人がいる。

(さくら、なんでそんな寝方しているの?ベットで寝ればいいのに)

そのあと八雲はさくらに毛布をかけるために動こうとしたが、頭痛に襲われ眠りについた。

起きたらすでに朝だった。さくらは横のベッドで寝ていた。

(さくら、なんであんなとこにいたんだろう?いや待て、ベッドが家のじゃなかった。だとしたら夢か……夢だとしたら、あれは一体、なんの予兆なのだろう。)