もう一度君と、コンテニュー

新しい制服に袖を通すと、高校生になったんだと実感させられる。


きっと、中学校と全然違うんだよね…




「そういえば私、ゲーム部に入ったんだっけ…」



あの玲部長の言葉を思い出す。

…違う部活入ったら怒るかなぁ。




朝食を食べて、支度をして家を出た。




少し早めに電車に乗ったはずなのだが、座るところがないくらい人で込み合っていた。



小さな声が、隣から聞こえた。



「あのっ……」



心なしか、怯えて震えているような声が。


目だけを動かすと、同じ制服を着た女の子が、後ろにいる男性と、有り得ないほど密着していた。


良く見ると、下半身を触られているようだ。


これって痴漢じゃ…




「あの、すいません!この人痴漢です!!」


次の駅に着いた時、そう言うと、車掌さんはこちらに走ってきた。




「いっ!!」

いきなり肩を掴まれた。


「なんで俺が痴漢なんてするんだ!!今日は会議なんだ!!こんな事に時間を使わせないでくれ!!!」


目を釣り上げて、唾を撒き散らしながら男性は言った。


…この人、頭おかしいんじゃないの…?

痴漢した癖にそんなこと言うの?信じられない…



「あ…貴方でしょ!!嘘つかないでよ!!」


痴漢された女の子も叫ぶ。

少し涙ぐんで、本当に可哀想だ。



「ふざけるなクソガキ!!被害妄想もいい加減にしろ!!
そうやって2人で協力して、人を陥れて、何が楽しいんだ!」


何、この人…最低……


ギリッと唇を噛み締める。

入学早々、こんなのに巻き込まれるなんて…




「でも俺も見ましたよ、おじさんが痴漢している所」



女の子でも痴漢をした男性でも、車掌さんでもない声が聞こえた。



「あっ…玲、部長…」



「あんまり怒鳴り散らして、大人として恥ずかしくないんですか。」



男性に怯えること無く、堂々と言ってのけた玲部長は、

とてもかっこよかった。