そして、顔をキョウスケに押し付けて泣いた。


「真弥?」

「なに…」

「プレゼント」

「え?」


今までに聞いたことないくらいのキョウスケの優しい声。
キョウスケの顔を見ようと顔を上げた瞬間に、後ろから腕を思いっきり引っ張られてよろけた。


「わっ!?」


びっくりして振り返ると、そこには大好きな大好きなチィ君が立っていた。


「真弥…」


チィ君は私を抱き締める。


「なん、で…」


後ろにはまだ、キョウスケの気配。
キョウスケは私の頭を撫でて言った。


「6年間、頑張ったお祝い。良い女になったお祝い。良かったな」

「キョウスケ…」


キョウスケはゆっくりと歩きながら帰って行く。
見えなくなるかならないかくらいの所で右手を上げた。


「真弥…、会いたかった」

「チィ君、どうして?」


聞きたいこと、言いたい事は山のようにあるのに私の口から出たのはたった一言だけだった。


「会いたかった…」


チィ君は私の問いに返事をしない。