キョウスケには数えきれないくらい、きちんと別れろと言われ続けて来た。

だいたい、私は今チィ君がどこで何をしているのか、なんの情報もない。

もしかしたら結婚しているかも…。

キョウスケは何も教えてくれない。


「…知ってるでしょ。あれとは付き合ってなかったの」

「なぁ、チトセの事なんて忘れろよ」

「無理。まぁ、6年って長いね…。しかも7年目だったりするし?」


クスクスと笑うと、キョウスケは呆れ顔。

「好き」なんて軽そうな言葉じゃない、だからチィ君だって私をまだ好きでいてくれるんじゃないかって…。

そんな絆が私たちにはあるんじゃないかって、そう思ってしまう私がいる。


「7年か…。俺は結婚して、お前はいまだにチトセに縛られて?チトセ言ってたんだけどさ」

「うん?」

「真弥を縛りたくないって。結局、縛り付けてるよな?」


キョウスケが聞いてくる。
確かに、あの時に「もう付き合えないから」とかってフラれてた方が楽だったかも。