「・・・・・・え、あの・・・・・・まだ何か?」




「あー・・・・・・やっぱ覚えてない?」




「え?」



 目の前の彼は首をかしげ「じゃあまた」と言い去って行った。


 
 また、広いキャンパスで私がまた小さくなった。




 いつもそう。


 いつもいつも私は一人、大きなキャンパスに気配を消すかのように授業に出るか、ベンチに座って読書をしている。