「ふわ〜あ」

大きな欠伸をしながら、ようやくベッドから上半身を起こした。

ベッドの下に置いてあった携帯に手を伸ばすと、ディスプレイには〝9:00〟の表示が。
夏休みって最高。毎朝こんな時間まで寝ていられるなんて。


のっそりとベッドから起き上がり、もう一つ欠伸をしながら、Tシャツにハーフパンツという適当な服装に着替える。



夏祭りの日から、一週間が経過した。


総介君と付き合えることになった私は、あの後も少しだけ彼と二人きりの時間を過ごしたけれど、早めに皆がいるはずのメインステージへと戻った。



そうしたら、メインステージに四人の姿はなく……首を傾げていると、菜々ちゃんと基紀君、杏ちゃんと堀君が、それぞれ手を繋いでこちらへ戻ってきたから驚きだった。
菜々ちゃんと基紀君のことは単純にお祝いの気持ちでいっぱいだったけど、杏ちゃんと堀君は意外すぎた。でも、皆楽しそうだったから良かった。



夏休みは、案外退屈だ。

本当は総介君とたくさんデートしたかったけど、あいにく彼は部活が忙しい。
そのため二人きりで会う時間はほとんどない。
でも、彼の部活が終わった時間に合わせて短時間だけ会って話したり。たったそれだけの時間でもじゅうぶん幸せを感じる。


莉菜からは、まだ連絡は来ない。

未だに様子を見ているのか、もしくはゴールデンウィークの時みたいに彼氏と遊んでいるからなのかは分からないけど、カラオケボックスでの一件以来、未だに何も連絡を取っていない。

何も言われないとそれはそれで気になるのだけれど、極力意識しない様に心掛けた。


……総介君の存在は本当に心強くて、この先莉菜達と何があっても立ち向かっていける様な気がして。

それなのに、私はまだ、この髪を黒く染め直すことは出来ずにいたーー。