日も暮れ始めた頃、ブルペンに入ると快音が響く。


「兄さん、話って?」


「お!来たな。」


グローブでこっちにこいと手招きする。

「投げろ。」


「へ?」


「早くしろよ。」


「どうかしたの?僕なら大丈夫だよ?」


精一杯の笑顔を作り必死にごまかす。

けど兄さんは騙されてはくれなかった。