ピピッ ピピッ ピピッ ピーーー

「あぁ〜、んーもぉうるさいなぁ」


カチッ



いつもと同じ時間に起きて、

肩につくかつかないかくらいの
黒髪を内巻きにセットし、

特に着崩すこともなく
真面目に制服を着て、

学校へ登校する。


これが私の毎日

今日から高校三年生だけど、
なんの楽しみもない。

高校に青春を求めるのは、
もうとっくにやめている。



私だって、中学生までは
高校生になりたくてしかたがなかった。

ドラマや映画みたいな恋愛に憧れていた。





しかし、

実際は、、、泣


高校に入った途端に
社会の厳しさを突きつけられた。




青春〜?

そんなものより勉強だ!!!

予習!復習!課題!

平日は学年プラス3時間は勉強しろ!

今が大切な時期だそ!集中しろ!


高校に入ってから
毎日こんな言葉を聞いている。


(ほんとに何が青春だよ。ばかばかしい。)


最近はテレビでかっこいい俳優を見ても、

(あぁー、きっとこの人も美人な彼女がいるんだろうなぁ。)

とか

(高校時代も彼女がいない時なんてなかったんだろうなあ。)



とか考えてしまって


テレビを見るだけで辛くなる。


重症だなぁ〜私(涙)










「えぇー、

野球部って始業式の日も朝練あんの?!

元気だなぁ〜(しみじみ)」


ドーンッ!!!


「希恋(きこ)っ

おはよ

朝からなに〜?ひとりごと?」



「わぁぁぁぁ〜、さぁちゃん


もうびっくりさせないでよ〜」


さぁちゃんこと山村 紗綾香は、
高校で1番最初に友達になった。


成績は常にトップ、

運動神経も良くて、

美人なうえにスタイル抜群!


そんな彼女を
周りの男子が放っておくはずもなく、
彼氏が常にいる。


「ごめん、ごめん(笑)

でもさ、目、覚めたでしょ?!」



「もとから起きてるよ!!!」



「そかそか、ごめん、ごめん(笑)

そんなことより、希恋
新しく来る先生の話聞いた?」



「え、新しい先生来るの?

全然知らない、どんな先生なの?」


「噂によると、
めっちゃイケメンらしいよ〜!」



「、、、へぇー。」


「えぇ、! 反応薄っ!!!」



「、、だって、先生だよ!

かっこいいとか、かっこよくないとか
どうでもよくない?」


「んーまぁ、希恋らしいね。

真面目で清楚な希恋様だもんね」


「なにそれ!やめてよー!(笑)」




本当は違う。

真面目なんかじゃないの。

かっこいい先生が来ることだってほんとは
すごく嬉しい。

でもね、かっこいい先生が来たら
絶対にほかの女子たちが群がるんだもん。

それを見たら、惨めになる。

希恋は絡んでも面白くなさそう。

だって、真面目だもんね。

ううん、違う、。

でも、もう戻れない。

だって、
このキャラを2年間で
確立しちゃってるんだから。

貫き通さないと。


、、、、


大学では頑張ろう。(涙)




「希恋〜、みてみて

クラス替えの紙出てるよ!!!

いこいこ!!!」



「あっ、待ってよ さあちゃーん」