「お、沙奈!」


前から自転車に乗って現れたのは、親友の新崎沙奈(にいざきさな)。


こんな私の相談にも乗ってくれる、高校で出会った優しい親友。


沙奈ならバカなことだって言い合えるし、ほんとに大事な親友なんだ。


「乃亜、おはよー」


私は足をとめ、沙奈を待つ。


そして二人で教室へ向かった。


「階段しんどーい」


これが私の口癖。


私の教室は4階だから、毎日階段で4階まで上がらなければならない。


毎日それに苦戦してるのが私、乃亜、そして親友沙奈でございます。


4階に着いた頃には二人ともバテバテ。


夏場はお茶がなくなるぐらいしんどいのだ。