それから3日経ったある日のこと。







あれ?………………………ない。







定位置にあるはずの色鉛筆がない。







わたしは、すばやく色鉛筆の記憶を辿った。








そうだ、昨日木の下に持っていったまま置い


てきちゃったんだ…








残念ながら今日は雨。










太陽の光はどこへ行ったのか、薄暗い雲に空


は覆い尽くされている。













私は雨の日は外に出るのは禁止されている。








でも、緊急事態だし、ぱぱっと取って戻って


きたら気づかれないよね…?








思いたったら即行動!な私は、傘も持たずに


木の下まではや歩きで行った。








色鉛筆を探し始めて15分………









ない。











確かにここに置き忘れたはずなのに!








まさか、とられた!?









ほんと、最悪。。。










大事なもの……なのに。













木の下で立ち尽くしていたら、前から男の人


が歩いてきた。













私は、見たこともないその人に怖さは覚えず


、むしろ太陽の光に包まれたような暖かい心


地がした。









「こんな雨の日にどうしたの?」








「………忘れ物を取りに来たんです。」








「忘れ物ってこれのこと?」








その人が持っていたものは私が昨日忘れた色


鉛筆そのものだった。









「あ!これです!なんであなたが…?


あ、ありがとうございます!


良かった…見つかって………」








「昨日、ここに来たらたまたま落ちてて…


いいものだし、雨に濡れたら大変かなと思っ


て…


良かった〜持ち主が見つかって!」








まさか、誰かが持って帰っているとは思って


もいなかったので、とても安心。









「本当にありがとうございました!」









「いえいえ、俺、田口 圭!きみは?」








「本条 咲桜です!」









「咲桜か!


この色鉛筆、必死に探してたけど、そんなに


大事なものなの?」







いきなり、名前呼び!?









驚きつつ‪も質問に答えようとしていたがだん


だん、視界が揺れてきた。










「………こ、この色鉛筆は……………………


…………そ、颯ちゃんの…………」










………………………バタ












ここで意識が途絶えた。