午後2時。







1日の内で唯一好きなこの時間。








病室から出て、中庭の外れにある1本の桜の木


の下に行く。








この木は他の木からだいぶ離れていて、この


木の下に来る人はほとんどいない。












しかも、木の背丈は低く、太陽の光が充分に


当たっていないのか、他の木と比べて圧倒的


に小さい。












だから、私にはぴったりだ。








孤独な私に似合うのは孤独な木。









華やかに誰かと触れ合うなんてこと私にはで


きない。









ずっとずっとそう思ってきた。








あの日が来るまで…