…………………パチ









懐かしい夢見たなぁ〜









なんて思いながら目に飛び込んでくる景色は






白、白、白。






かすかに消毒液のにおいもする。








病室を見回したって見慣れた景色に何を感じ


るわけでもない。








小さなため息をつきながら時計を見てみる。








ちょうど8:00になるところ。









「…コンコン」








「おはよう!咲桜ちゃん、調子はどう?」








「普通です。」








「そっかー!また、後で診察に行くね〜


はい!朝食だよー」








「…ありがとうございます。」








いつもと同じ今日が始まった。








小さな頃からお世話になってる看護師さんと


少し話したあと、いつもと同じ朝食を食べる











そうして食べ終わったら診察。








いつもと同じ時間に担当である伊沢先生が来


る。









いつもと同じように時間は過ぎていく。







こんな毎日が大っ嫌いだった。








“ふつう”に何度憧れただろう。







この場所から何度抜け出そうと思っただろう








抜け出す度に、自分の無力さを知り、絶望す


るだけだった。