占いのお陰でシンデレラになれました!~奇跡の偽装結婚

「とりあえず、今度の食事会には両親と兄夫婦が来る。
いろいろ訊ねられるかもしれないが、ボロを出さないようにな。」



(ボロ……)



「あ、あの…
ネット難民のことは…」

「もちろん秘密だ。
俺達は、付き合い始めてしばらくしてから、うちで同居することになった。
それで良い。」

「は、はい。じゃあ、それ以前のことを聞かれたらどう言えば?」

「それは実際の事で良いんじゃないか?」

「ずっと母と二人で暮らしてたことも?」

「もちろん構わない。」



その後も私はいろいろなことを那月さんに質問した。
那月さんは、殊更に私のことを良く見せようという意思はないみたいだ。
母一人子一人の慎ましい生活のことだって、私が高卒のことだって、なんでもありのままを言って良いって言ってくれた。
NGなのはネット難民のことだけ。
そうだよね…さすがにそこまで言うのは、那月さんだって抵抗があるよね。



「それから、習い事を始めることにしよう。
何が良い?」

「え?習い事…ですか?」

「父上は、向上心のある人間が好きだからな。」

「そうなんですか…」

って言われても、習い事なんて、子供の頃から何もしたことがないから、すぐには思い付かない。
ご両親にウケそうな習い事って、何なんだろう?