占いのお陰でシンデレラになれました!~奇跡の偽装結婚

「では、なぜおまえは家がないのか、訊ねても良いか?」

「え?そ、それは……」

「また嫌な質問をしてしまったか…」

「い、いえ、そんなことないです。」



そう…これは明らかに私のせいなんだから。
ここはちゃんと話さないと。



「実は…母が亡くなった後…私は支えを失い、精神的にボロボロになったんです。
一時期は仕事もいけない程でした。
その時に、あるものに出会い、私はそのおかげで少しずつ立ち直ることが出来たんです。
それから、私は、そのものを自分でも勉強して、私のように悩んで困ってる誰かの役に立ちたいと思い、勉強を始めました。
勉強に没頭するあまり、貯金は底を尽き…気が付いたら家賃も滞納していて…」

事実をかいつまんで…そして、都合の悪いことはぼやかして、さらに、ほんのちょっと美化して話した。



「なるほど。
確かに、勉強と生活を両立させるのは難しい。
まずは生活の基盤を作ってから勉強すべきだったのではないか?」

「その通りです……」

その通り過ぎて、それ以上、何も言えないよ…



「焦り過ぎたのだな。
だが、これからは自由に勉強すれば良い。」

「あ、ありがとうございます!」

もちろんそのつもりではあったけど…
那月さんのお許しが出たとなると、なおさらやりやすい。
やる気が沸々と湧き上がるのを、私は感じた。