「それと、占いが好き…だな。」

「えっ!な、なぜ!?」

「おまえは孔雀姫のことを知っていたし、荷物の中に占いの本やカードがあった。」



す、するどいっ!
いつの間にそんなののぞいたんですか!?



「両親の前では、占いの話はしない方が良いな。
うちの両親はそういうものは嫌いだからな。」

「は、はい。」

とりあえず、私が占い師を目指してることまでは知られてなくて良かったよ。



「ところで、俺達の出会いだが…」

「あ、画廊で会ったっていうのはどうですか?
私が画廊で働いていて、それでお店に来た那月さんと知り合ったっていうのは…」

お!私にしては良いこと思い付いた!



「……おまえは絵に詳しいのか?」

「え…い、いえ、全然…」

「下手にそんなことを言って、絵の話になったらどうする。
それに、お前はどう考えても画廊で働いていたようには見えない。」

「は、はぁ…」

どんな人が画廊で働いてるのか知らないけど…
ま、確かに、私みたいなのはいなさそうな気はする。



「そうだな……」

那月さんは目を閉じ、じっと考えて…



「画廊の近くの喫茶店で働いていたことにしよう。
喫茶店ならなんとかなるだろう。
……喫茶店で働いたことはあるのか?」

「い、いえ…私、人見知りな方なので、接客業は苦手で…」

「しかし、接客業でもしないと、出会うことがないだろう……
あ、和代さん!お茶のポットとカップをお願いします。」