そうなんだよね。
この新婚旅行中、それなりに話はしたけど、それは観光地に行ったり、料理を食べた時に、その感想を言い合ったりしただけで…
お互いのことについては、そんなに話してないんだよね。



あ、那月さんが英語以外も話せるみたいだったから、何か国語話せるんですか?とか、前から気になってたハーフなのかってことやら、海外には良く行かれるんですか?とか…



そうだ…私があれこれ質問をして、那月さんがそれに答えただけで、那月さんからは特に質問はなかった。
あ!なんで家がないんだ?って、それだけ聞かれたっけ。



その時も、「家賃を滞納してしまい、追い出された。」って簡単に答えただけで、それ以上は聞かれなかったから、そんなことになった事情は話してない。
きっと、那月さんは私には関心がないんだね。



……当然だよね。
那月さんは、孔雀姫の占いに従っただけ。
結婚相手なんて、誰でも良かったんだもん。
私に関心なんて、あるわけない。



そんなことは最初からわかってるんだし、へこむことでもないよね。
これだけ貴重な体験をさせてもらってるんだから、それだけで良しとしないと罰があたるよ。



そう思いながらも、どこか寂しい気持ちは拭えなかった。