「あ、あの…たくさん買っていただいて、どうもありがとうございました。
でも…大丈夫なんですか?
ここ、高いんでしょう?」

「心配するようなことじゃない。」

「あ、そ、そうなんですね…」



これ以上言うと、なんだか那月さんが不機嫌になりそうだったから、言うのはやめた。
でも、なんだか申し訳ない。
私がお金持ちの女性だったら、こんな出費はかからなかっただろうに。
那月さんなら、そんなお金持ちの人と結婚することだって出来た…
いや、その方が自然だよ。
なんの因果で私みたいな貧乏人と結婚したのやら。



もしかしたら…那月さん、後悔してるのかも。
そうだよね…普通なら後悔するよね。
親の言いなりになりたくないってことだけで、私みたいな貧乏くじを引いて…



やっぱり、私が承諾すべきじゃなかったな。
私が頑なに結婚を断ってたら、那月さんだって、もっとマシな人と結婚出来ただろうに…



そんなことを思ったら、ますます罪悪感が大きくなっていく。



(ごめんね…那月さん…)