「わっ!」

曲がり角を曲がった途端、私は誰かにぶつかり、思いっきり尻餅をついた。
不意に私の前には手が差し出された。
白くて、繊細な長い指…
ふと、見上げれば…



(も、もしかして…ハーフ?)



金髪に青い瞳…透き通るような白い肌…
整った顔…
細いけど、均整の取れたスタイルで背が高く…モデルさんかもしれないと思った。
今まで出会ったことのない程の超イケメンぶりに、私は一瞬、ぼーっとしてしまい…



「あ、ありがとうございます!」



何とか声を振り絞り、その美しい手に自分の手を重ねて立ち上がった。



「ほ、本当に…」

「今から俺の実家に行くぞ。」

「……は?」

「それにしても酷い格好だな…でも、ま、いいか。」

イケメンさんは、私のことを上から下まで見て、小さな声で呟いた。
しかも、それは流暢な日本語だった。
日本で育ったハーフさんなんだろうか?