占いのお陰でシンデレラになれました!~奇跡の偽装結婚

「那月さん…私自身、自分の気持ちが良くわからないこともありました。
私は那月さんに救われた。
だから、そのことに感謝してるだけなのか、それだけじゃないのか…
でも、わかったんです。
あなたが沙也加さんのことを好きだと気付いた時…あの時、私はあなたの気持ちを沙也加さんに伝えないといけないって思いました。
あなたに幸せになってほしかったからです。
その時に気付いたんです。
私は感謝だけじゃなく、あなたのことを本当に好きなんだって。」

「馬鹿…沙也加は優紀しか見てないのに…」

「でも、訊いてみなきゃわからない。
もしかして、そんなのはあなたの思い込みで、沙也加さんも那月さんのことを好きなのかもしれないって思ったから。」

「本当に大馬鹿だな、おまえは…」

「ええ、その通りです。
そのせいで、あなたには余計に辛い想いをさせてしまいました。
……本当にごめんなさい。」

私は深く頭を下げた。
でも、那月さんは、何も言ってくれなかった。



「ですが、その後、別れようって言われた時はすごくショックでした。
それだけじゃありません。
那月さんは私のことを金目当ての同居人としか見てなかった。
辛くて悲しくて…正直言って、絶望しました。
私…どんなことがあっても、那月さんとはずっと一緒にいたいと思ってましたけど、そんな風に思われてるんじゃとても無理だって思いました。」

那月さんは、相変わらず何も言わなかった。
何かを考えるように、じっと一点をみつめ、黙りこくっていた。