占いのお陰でシンデレラになれました!~奇跡の偽装結婚

「あかねさん、こんな所に呼び出してすみません。」

「いえ……」

「とりあえず、何か食べましょうか?
お腹減ったでしょう?
ここ、なかなかうまいんですよ。
あかねさんはなにか嫌いなものはありますか?」

「いえ、私はなんでもいただきます。」

「そうですか、それじゃあ……」

優紀さんは、コース料理ををオーダーしてくれた。



「本当に美味しいですね。」



優紀さんの言った通り、どの料理も美味しいし、器や盛り付けもとても個性的だった。
優紀さんと二人っきりで話すことなんて初めてだし、ちょっと緊張してたけど、優紀さんは気が利くし、口調も柔らかいからか、いつの間にか気持ちもほぐれていた。



「あかねさん…もう那月から話は聞かれましたか?」

「え!?」



唐突に言われて、私は一瞬、息が詰まりそうになってしまった。
話っていうのは、多分、昨夜聞いたばかりの…あの話のことだと思った。



「仕事の話ですが…」

やっぱりそうだった。



「あ…は、はい。だいたいのことは…」

「そうですか…聞かれたんですね。
だったら、話が早い。
那月は、僕が作った損失のことを父に話さず、自分がなんとかしようとしています。
そんなことになったら、あなたたちの生活は破綻してしまう。
それで、今日、あなたに来てもらったんです。
ぜひ、あなたから那月を説得してほしくて…」

優紀さんは、真剣な目で私をみつめた。