占いのお陰でシンデレラになれました!~奇跡の偽装結婚





(えっと…ここだよね?)



優紀さんに指定されたのは、電車で1つ目の駅にある創作料理の店。
タクシーでもすぐだけど、貧乏性だから電車に乗って行く。
優紀さんの言ってた通り、その店は駅前の通りを一本奥に入ったところにあった。
なんというか、個性的ですごく洒落た感じで…ちょっと入りにくい。



特別気合いを入れたってわけではないけど、優紀さんに恥をかかせないように、それなりにマシな服装をして来たつもり。



(……大丈夫…だよね?)



ショウウインドウのガラスに映った自分の姿を今一度確認する。



「あかねさん!」

振り向くと、そこには駆けて来る優紀さんがいた。



「優紀さん…」

「お待たせしました。」

息を弾ませながら、優紀さんが言う。



「い、いえ、私も今来たところです。」

「じゃあ、とにかく中へ…」

優紀さんは躊躇することなく、お店の中へ入って行った。
私もそれに倣う。



お店には予約がしてあったらしく、私達は店の奥の個室に案内された。