占いのお陰でシンデレラになれました!~奇跡の偽装結婚

「……ありがとう。」



那月さんは俯いて、小さな声で呟いた。



「……俺は少し休む。
しばらく忙しくしてたから、疲れてるんだ。」

「は、はい。」



那月さんはそう言い残すと、居間を出て行った。



『ありがとう。』か…
どういう意味のありがとうなんだろう?



勢いで愛の告白に近いことを言ってしまったけど…
那月さん…内心、ドン引きしてるのかな?
痛い奴だって思われたかな…



でも、私はなんだかすっきりしたよ。
自分の気持ちにも気付くことが出来たし、今まで言いたくても言えなかったことを言えて、心の中がスカッと晴れたような気分だよ。



那月さんは、私の想いをどう受け止めてくれるんだろう?
もしかしたら、またひとりぼっちに戻っちゃうのかな?
それはいやだな。



うん…断られても、諦めないぞ!
何度でも那月さんを説得して、一緒にいさせてもらうんだ!



あの那月さんが貧乏な暮らしなんて出来るわけがない。
私が、傍についててあげなきゃ…!



そんなことを考えながら、私の涙はなかなか止まることがなかった。