占いのお陰でシンデレラになれました!~奇跡の偽装結婚

那月さんは、笑ってしまいそうになるくらい、驚いた顔をしていた。
目を大きく見開いて、口まで開けて…



「そんなに驚くようなことですか?」

私は涙を拭い、那月さんに文句を言う。



「そ、そりゃあ、驚くだろう。
無一文になるかもしれない、この先、どんな悲惨な暮らしになるのかもわからないっていうのに、それでも一緒にいたいだなんて。」



言われてみれば確かにそうかもしれない。
私達は仮初めの夫婦。
でも、私は薄々気付いていたよ、自分の気持ちに。
那月さんを好きだっていう気持ちに…



だけど、それが感謝からの好きなのか、見た目が格好良いからの好きなのか、一緒にいてくれるからの好きなのか、わからなかった。



でも……今、やっと、わかったような気がする。
いろんなものをひっくるめて、私は那月さんのことを好きになってたんだって。



恋愛感情にしては、穏やか過ぎる愛かもしれない。
でもでも、人の愛し方にどういうのが正しいなんてないはず。



私は那月さんと知り合ってから、毎日少しずつ惹かれていったんだ。
どんなに苦しい状況になったって…たとえ那月さんから愛されないままでも、それでも一緒にいたいと思う程に…