占いのお陰でシンデレラになれました!~奇跡の偽装結婚





それから、瞬く間に時は過ぎ…



那月さんは、ずいぶんと遠くに行ってしまったような気がする。
あれ以来、家に帰って来ないこともあり…
私の知らないところで、何かとても大変なことが起きてるということだけはわかるものの、それ以上のことは何もわからなくて…
那月さんは日に日にやつれていくし、私は、酷く心細い想いをしていた。



そんなある日…
珍しく、割と早い時間に那月さんが戻って来た。



「お、おかえりなさい。」

「……あぁ。
ちょっと話がある。」

「は、はい。」



なんだろう?
胸騒ぎが止まらない。



那月さんは、本当に疲れてる様子だ。
痩せたし、目の下は隈になってるし、歩き方も以前みたいにきびきびとはしていない。



「あ、あの…何か飲まれますか?」

「水をくれ。」

「はい。」

私は冷蔵庫からペットボトルを出して、那月さんの前に差し出した。
那月さんは、それをぐびぐびと喉を鳴らして飲んでいく。



「……優紀と伶佳は、別れることになった。」

「えっ!?そ、そうなんですか…」

びっくりはしたけれど、それは想定内のことだ。
でも、こんなに時間がかかったのはなぜなんだろう?
それに、那月さんもこんなにやつれてるのは…



「それと……」

那月さんが、私の目をじっとみつめた。