占いのお陰でシンデレラになれました!~奇跡の偽装結婚





(遅いなぁ…)



夕方、那月さんは家を出て行った。
優紀さんに逃げられたら困るから、直接職場に行くとか言ってたけど…



時計の針はもう11時を過ぎている。
優紀さんの仕事が本当に忙しくて、それが一段落するのを待ってたとしても、こんなに遅くなるだろうか?
もしかして、あの調査書を見て、優紀さんと那月さんが揉めたとか…?



考えてみれば、那月さんは優紀さんに頼まれたわけでもないのに伶佳さんのことを勝手に調べたわけだから、そのことで優紀さんが気を悪くしても不思議はないよね。
優紀さんはふだんは穏やかな人だけど、たまには感情的になることもあるかもしれないし、話がこじれて長引いてるのかな。
あ、お酒を飲んでたら、そういうことはなおさらありそうだよね。



心配だけど、こっちからLINEを入れるのは気が引ける。
普段から、よほどの急用でもない限り、私からLINEを入れることはないから。



(どうか、二人共無事ですように…)



そんなことを祈りながら、私はひたすら、那月さんが帰って来るのを待った。