占いのお陰でシンデレラになれました!~奇跡の偽装結婚

「そ、そうなんですか…」

「この調査書を差し出せば、伶佳も素直に離婚に応じるはずだ。」



やっぱり…
那月さんは、二人を離婚させる気なんだ。
って、まぁ、悪いのは伶佳さんだし、隠そうともしていないってことだから、伶佳さん自身も別に離婚しても良いと思ってるのかもしれない。
でも、優紀さんはどうだろう?
優紀さんがどのくらい伶佳さんのことを想っていたのかは、私にはわからないから、心配と言えば心配だな。
もしかして、伶佳さんのことをとても愛していたとしたら、優紀さんはショックだよね。



「大丈夫でしょうか?」

「何がだ?」

「え?だから…もしも、優紀さんが伶佳さんのことを愛していたら、こんなのを見たらすごくショックを受けられると思うんですが…」

「そんなことはないだろう。
万一あったとしても、これが現実なんだからな。」



那月さんらしい言い分だよね。
確かに、現実は現実…



「で、でも、みんながみんな、現実を受け止めることが出来るとは限らないじゃないですか。
もしも、優紀さんがこの調査書を見て、酷く傷付かれたら…」

私がそう言うと、那月さんは私のことをじっとみつめた。



「おまえは……優しいのだな。」

「え…?」

「いや、なんでもない。
とにかく、明日にでも優紀と会って来る。」

そう言い残して、那月さんは居間から出て行った。