「ど、どうして、優紀さんは伶佳さんが浮気してるって気付いたんですか?」

「伶佳は、まったく隠そうともしないようだ。
家まで男が送って来たりしているらしい。」

「ま、まさか…!?」



とても信じられなかった。
浮気をするなら、普通はバレないようにするはず…
そんな堂々とする浮気なんて、訊いたことがない。



「伶佳と優紀は、元々好きで結婚したわけじゃないからな。」

「えっ!?そうなんですか?」

「あぁ、言ってみれば政略結婚だな。
伶佳の親が、ぜひとも…ということで…
あいつは自分の気持ちを押さえて、親の言いなりに伶佳と結婚した。」



あぁ、確かに優紀さんはご両親のいうことを良く聞きそう…
那月さんと違って、そういうところはとても素直そうだもの。



「で、でも…それなりにうまくいってたのでは…?」

「あぁ、俺も今まではそう思っていた。
だが…昨夜の話を聞いていると、そうでもなかったみたいだな。
あの馬鹿野郎が…」

「それじゃあ、もしかして、離婚…なんてことも!?」

「さぁ、それはどうだろうな。
だが、あっても不思議はないと思う。
……元々、伶佳と結婚したのが間違いだったんだ。」

那月さんは、吐き捨てるようにそう言った。