「お兄ちゃん、怪我をすることはないと思うけどくれぐれも気をつけてね。」
お兄ちゃんは私の言葉の真意を見抜いて返事をした。
「ああ。」
お兄ちゃんの鬼の能力は力と治癒だった。
お兄ちゃんも私と同じで母さんのように人を治す力はない。
けど、私と違ってお兄ちゃんには鬼ならではの強い力が備わっている。
だから、並大抵の喧嘩では負けたことがない。
暴走族の世界に入って戦い方を身に着けたからなのか、昔よりさらに強くなった。
私は襲われないように幹部室の窓から暴動を眺めるだけだった。
「あの女の子、私たちの高校の制服を着てる。それにリボンが青い。同い年の子だね。」
私たちの高校はリボンやネクタイの色で学年が決まっていて、一年生は青、二年生が緑、三年生は紫だ。
三年生の中でも生徒会に属している人たちは白いリボンやネクタイを身につけている。
生徒会の白いリボンやネクタイを身につけるためにこの高校に入ってくるという人もいるが、生徒会のメンバーは学校の理事長が決める。
毎年どういう基準で誰がなるのかはわかっていない。
「うん、そうみたいだね。それにしてもあの子、ナイフを突きつけられているのに怖がっている様子がない。それに瞳に光が宿っていない。」
「そうだね。何か闇を抱えてるのかな。」

