愛の物語






「それにしても、今日のスピーチはびっくりしたよ。二人で前に出るんだから。」

ジョンくんはそう言うと、おにぎりを一口かじって私たちを見た。

「受験時のテストで二人して満点を取ったからなんだって。」

ジョンくんはそれを聞いて、飲みかけたお茶を吹きそうになっていた。

「大丈夫?ジョンくん。のどに詰まってない?」

「だ、大丈夫。二人して満点だったの?さすがだね。」

「ありがと。父さんの教え方がわかりやすかったからだよ。」

ジョンくんはそっかといってテレビの電源をつけた。

「お昼のニュースです。先ほど、〇〇市××町で暴走族による殺傷事件が起きました。犯人はいまだ捕まっておらず、警察も行方をつかんでいないようです。××町に住んでいる方はなるべく外出を控えたほうがいいでしょう。」

「このあたりだね。怖いな。」

私がそう言ったと同時に外から叫び声が聞こえた。

「今の聞こえた?」

「うん。」
「ああ。」

お兄ちゃんはパソコンから目を離し、警戒心をあらわにして外に目を向けた。

コンコン

「失礼します。総長、ジョンさん。外でナイフを持った男が学生を人質にしています。」

陸くんがそう告げると、お兄ちゃんは立ち上がって出口に向かった。