新しい制服に身を包み、リビングへ向かった。
「お兄ちゃんは起きるのは遅いのに用意は早いね。」
「お前の用意が遅いだけだろ。」
軽口を交わしながら私たちは玄関に行った。
「行ってきます。」
「行ってくる。」
私たちは母さんと父さんにそう告げると、家を出た。
高校生活に私は胸を躍らせながらいじめられないことを祈る。
「そういえば、海虎のやつらも俺らの高校に受かったらしいからこれからのことは心配すんな。」
お兄ちゃんは私の心を読んだかのようにそう言うと、頭をなでてくれた。
「うん。ありがと。」
私たちは同じ制服に身を包んだ生徒にまぎれて登校した。