「お兄ちゃん、おかえり。盟狐のみんなもいらっしゃい。」
私はお兄ちゃんのバイクに駆け寄った。
「ちゃんと送り届けてきた?」
「ああ。あいつ、腕にあざがあった。」
「ジョンくんが調べたところによると、上沢さんは施設で虐待を受けているらしいの。あと二ヶ月で養護施設を出て一人暮らしをするんだって。」
「そうだったのか。あと二ヶ月の間、ずっと虐待を受け続けるのか。この倉庫で一人暮らしをするまでの二ヶ月面倒見てやらないか?」
「私はいいけど。みんなの意見も聞かないと。みんながいやだって言ったらだめだからね。」
「ああ、わかってる。」
お兄ちゃんはバイクをガレージの中に入れて幹部室へ入っていった。
「みなさんもどうぞ。」
私はずっと突っ立っていた盟狐に声をかけ中に入っていった。