「急になんすか。俺はいいんですってば」

「どこかにいい出会いあるといいね~」

「タイミングですからね。とんとん拍子に進んで最初に結婚するの俺かもしれませんよ」

そう言ってドヤ顔をする沖くん。そんな未来も確かにありえなくはない。

「へえ~。それは楽しみにしているよ」

軽く手を振りながら適当にあしらう律ちゃんに沖くんは

「絶対結婚式呼ばないですから」

と、声高々に宣言したから私は苦笑した。
もう、本当にこの二人はいつもこうだ。やれやれとなりながらも、このやり取りが微笑ましくて、ついつい口角が上がってしまう。

それから私達は他愛ない話をして盛り上がった。
終電近くまで飲んだ私達は駅でそれぞれの帰る方に向かう。沖くんと律ちゃんは同じ方向だから、二人にバイバイすると私一人でホームで電車を待っていた。

カバンの中でケイタイが震えたから取り出して画面を見る。

【おやすみ】

丸山さんからのメッセージだった。
筆不精な彼が短文であろうと、自発的に連絡をくれるのはすごく嬉しかった。