――――ある日の仕事終わり。

「カンパーイ!」

私と律ちゃんと沖くんはいつもの居酒屋にいた。
もちろん会話の中心は私と丸山さんのことだ。

「本当によかったよね」

律ちゃんが枝豆を口に放り投げながら言った。それに沖くんも頷く。

「でも、オーナーさん。前にも増してモテてそうですね。お店こないだ見た時びっくりしました。どこを見ても女子女子女子!!って感じで。そこんとこどうなんですか」

「確かに~。浮気とかしたら私ぶん殴る」

そう言ってファイティングポーズをする律ちゃん。目が座っているよ、律ちゃん。

「大丈夫。丸山さん、そういうの苦手だから」

「うっわ、小野寺さんがめっちゃ惚気た」

沖くんが自分を抱き締めるように腕を回してから、驚いた声をあげる。

「大切にされているんだね。私は嬉しいよ」

しみじみと呟く律ちゃんに、「へへっ」とにっこりしながら私は満面の笑みを向けた。
くしゃくしゃっと私の頭を撫でてから、律ちゃんは沖くんに向かって話し出す。

「ロンリーは沖だけか~」

ビールを飲んでいた沖くんはぶふっと吹き出しそうになっていた。