オオカミ社長は恋で乱れる

私と佐賀さんの声の意味するものは動揺。そして驚愕。

私は思わず西条さんの顔を見てしまった。

その表情は『どうだ?』と問う様な満足感たっぷりの笑みが讃えられている。

「ネットで取り寄せたんだ。凄いよな、いろいろあって迷ったからとりあえずいくつか買ってみたけど、悠も凛も楽しそうに遊んでいたぞ」

その満足そうな表情を私も佐賀さんも凝視してしまう。

何度かこの部屋にも来させてもらったことはあったけど、モノトーンの配色で高級家具で整えられたハイセンスなお部屋だったのに。

それが今はその家具と共存して、カラフルな遊具や絵本で荒らされ放題。

子供達は楽しそうにボールプールのカラーボールを投げている。

それを笑顔で見ている西条さん。

そんな中、佐賀さんが言葉を発した。 

「社長、これらはいつ組み立てたのですか?」

全ての遊具のことだろう。

そう、西条さんは常に忙しい。

その上でうちのアパートにも寄ってくれている。

佐賀さんはその事を全て知った上で、この遊具らをいつ組み立てたか聞いているのだ。

私も佐賀さんと同じ思いで『そう。いつ?』と思い頷いてしまうと、西条さんは何でもないことかの様に答えた。

「夜中に決まっているだろ?」

「・・・ですよね」

佐賀さんの声も幾分小さくなった。

悠も凛も私に「見て!見て」と色々遊んで見せてくる。

その表情は本当に楽しく嬉しそうで、この笑顔を西条さんが見せてくれていることを強く感じる。

私が色々な思いで2人を見ていると、西条さんが「コーヒーを淹れるから待っていてくれ」と言ってキッチンへ行こうとするので「私がやります」と西条さんを止めようとしたのに、優しく髪を撫でられて静止された。

「久しぶりに出かけて疲れただろ?今日はゆっくりしてくれ」

「大丈夫ですよ、疲れてなんていません」

「いいから俺に任せろ」

そう言われてソファーに誘導されるまま座らせられた。

それも束の間、すぐに悠と凛に遊びに誘われて遊具の方へと移動した。