オオカミ社長は恋で乱れる

「充分甘えさせて頂いてますよ」

「社長は更に求めているかもしれませんね」

「そう・・ですか?」

西条さんがもっと私に甘えて欲しいなんて・・・。

でも私は本当に充分甘えさせて貰っていると思ってる。

「そうですね。それだけ社長は清水さんの事を大切に思われているのでしょうね。いつも色々と清水さんやお子様達の話題をされていますが、今回の同窓会の事を知り是非行かせてあげたいと思ったそうです。お子様達を連れて行けないから参加できないのなら、自分が面倒を見ればいいだけだと社長は思ったようで。それが当たり前の事のように仰ってました」

「そんな・・」

「お子様達のお風呂も寝かしつけもいつもやっていることだから・・と。社長にとっては自分がやることが通常のことらしいです」

その言葉を聞いて胸に痛みを感じた。

 ー社長にとっては自分がやるのが通常のことらしいですー

西条さんは社長さんなのに。

ううん、違う。ただの社長ではなく、大会社の御曹司。

そんな人に私、いつも子守りをさせてしまっている。

今更ながら現実を思い知り、罪悪感が襲ってくる。

自然と視線が落ちて、眉間に皺が寄ってしまう。

すると浅いため息が聞こえ、それと共に「そうじゃないですよ」と否定された。

「清水さん。ご自分を責めてしまっているかもしれませんが、それは杞憂です」

その言葉にハッとなる。

私、何も言っていないのに。

私の考えている事全て察知したうえで。

優しい言葉をかけてくれる。