オオカミ社長は恋で乱れる

次の日の朝、西条は迎えの車に乗るとすぐ佐賀へ確認を取った。

「昨日言った調整は取れたか?」

「はい、会食は来月に決まりました」

「そうか」

「ただ・・」

助手席から後部座席に座る西条へ見せる表情と佐賀の言い淀んだその口調が気になり、その先に続く言葉を促した。

「何だ」

「はい・・・。会長にパーティーの欠席の旨をご連絡した所、何故だ?となかなかご理解頂けませんでした」

「たかが友人の祝賀パーティーだろ?」

呆れながらそう答えると、佐賀が言いにくそうに返してきた。

「それが先方のお嬢様を紹介したかったようです」

その言葉にすぐさま西条は舌打ちをした。

煩わしさと呆れを交えながら。

そして目つきは鋭くなる。

「また見合い話か」

「・・そのようです」

佐賀の返事に優貴は、眉間に深くシワを寄せた。

 ー飽きもせず見合い話かー

 ー見合いなど必要ない、する気もないと何度言えば気が済むんだー

言っても分からない父親に辟易しながら、車窓から見える景色に視線をやっていた優貴だったが、ふと思いついたように佐賀を見た。

「なぁ、だったら言っておいてくれ。そんなに焦らなくても直ぐに孫に会わせてやるから待ってろって」

「・・・・」

助手席から振り向く佐賀の言葉は無く、明らかに時が止まったかのように固まっている。

視線は優貴へと向いているのに、どこか焦点が合っていないのを感じた優貴は眉間にシワを寄せて佐賀を睨んだ。