オオカミ社長は恋で乱れる

「俺じゃ、ダメなのか?」

「え?」

「俺にはできないのか?」

「そんなこと・・ないですけど。でも・・・」

「じゃあ、俺じゃ悠と凛が嫌がるのか?」

「あの子達が西条さんを嫌がるなんてことありません!」

それは絶対にない。断言できる。

悠も凛も本当に西条さんに懐いていて、本当に好きで。

嫌がるなんて絶対にない。

間違えても2人が西条さんを嫌っているなんて感じて欲しくなくて、語気を強めて否定した。

すると頷きながらも困り顔で西条さんは更に問いてきた。

「すると・・・絵莉が嫌なのか?俺が面倒みるってことが。俺には任せられないって思ってる?」

「まさか!そんなことありません!西条さんは私にも子供達にも本当に良くしてくださって。嫌とか、任せられないとか、そんな事思っていません!」

誤解を解きたくて真剣に言うと、さっきの困り顔から一転して笑顔に変えた。

「なら大丈夫じゃないか。何も心配はいらない。俺が悠と凛の面倒を見るから、君はゆっくりと楽しんでこい」

急に変わった表情に戸惑ってしまう。

困った顔をしたり、笑顔になったり。

もしかしてわざとそう見せたの?

「西条さん・・・」

不安げな表情になってしまう私の頭を撫でながら、低く優しいトーンで私を諭す。

「もっと俺を頼れ」

子供達の面倒を見てくれると言うのも、同窓会に行ってこいと言うのも、俺を頼れと言うのも、みんな私への優しさ。

本当に嬉しいのに、どうしても西条さんの仕事が気になってしまう。

大切な仕事をキャンセルさせてしまったかもしれない。

「あの・・・お仕事キャンセルして本当に大丈夫ですか?」

「ああ、大丈夫だよ。土曜日の午後は親父の友人のパーティーだか何だかに呼ばれてるのと、会食が一件だからなんて事ない。佐賀がフォローするさ」

「でも・・・」

「俺だってじいさんの祝賀パーティーより、悠と凛と過ごす方が断然楽しい。会食は後日に変更できるから心配するな。な?」

確認するように私の顔を覗き込む。

そんな風にされたら、それ以上言い返せない。

でも申し訳なさから、うつむきかげんになって声も小さくなってしまう。

「ありがとうございます。よろしくお願いします」

そう返事をすると身体を引き寄せられて、そのまま腕の中に包まれる。

ふと頭に西条さんの頬の暖かさを感じた。

私も自分の身体を預けると、おでこにキスが・・・そして耳元まで降りてくる。

「絵莉・・もっと俺を求めろ」

そうささやいた唇は耳から頬へと滑り・・・、少しずつ痕を残してから甘く唇を食みながら私に応えろと誘惑する。

私は細かく漏れる吐息を吐きながら、ただひたすらその唇がくれる快感を受け止めた。