翌日の午後、社長室で執務をする西条の側に立った佐賀は見下ろす形で彼を観察のごとく眺めた。
今日の社長は出社時から機嫌がいい。
笑顔を見せるなんてことはあるわけないが、彼のことを見てれば分かる。
彼から滲み出る空気感が今日は柔らかい。
時に口角が上がったりまでしている。
普段キツイ眼差しで人と接し、書類に目を通す時も眉間にシワが寄るというのに。
いったいどうしたというのだろう。
そんな疑念が頭の中を巡り、佐賀はずっと盗み見る様に観察していたのだった。
そんな彼の視線を西条は感じ、手を止めることなく憮然と声に出した。
「何だ」
「はい?」
「とぼけるな、お前の視線をずっと感じている」
気づかれていたのか・・。そう観念して思うままに聞くようにした。
「そうですか。いえ、朝から随分と機嫌がいいように見えましたので」
「そうか?」
「はい、にじみ出ています」
「・・・・・」
黙ったと共に手まで止まった。
そこで初めて西条は身体を背もたれに預けて佐賀に視線を移し、さっきとは違う声のトーンで言った。
「彼女は結婚していないそうだ」
「は?」
「清水絵莉だ」
突然何を言い出したのかと虚を突かれたが、すぐに昨日の女性のことだと理解をして聞き返した。
「ああ、彼女ですか。結婚されていないとは・・・いったいどういう・・」
「シングルマザーだそうだ」
自分の問いにかぶせて答えたその言葉を聞いて、ふと気になった。
随分と彼女の事について知っている様子だ。
そして今日の機嫌の良さ。
ある疑念が頭に浮かび、単刀直入に聞く事にした。
今日の社長は出社時から機嫌がいい。
笑顔を見せるなんてことはあるわけないが、彼のことを見てれば分かる。
彼から滲み出る空気感が今日は柔らかい。
時に口角が上がったりまでしている。
普段キツイ眼差しで人と接し、書類に目を通す時も眉間にシワが寄るというのに。
いったいどうしたというのだろう。
そんな疑念が頭の中を巡り、佐賀はずっと盗み見る様に観察していたのだった。
そんな彼の視線を西条は感じ、手を止めることなく憮然と声に出した。
「何だ」
「はい?」
「とぼけるな、お前の視線をずっと感じている」
気づかれていたのか・・。そう観念して思うままに聞くようにした。
「そうですか。いえ、朝から随分と機嫌がいいように見えましたので」
「そうか?」
「はい、にじみ出ています」
「・・・・・」
黙ったと共に手まで止まった。
そこで初めて西条は身体を背もたれに預けて佐賀に視線を移し、さっきとは違う声のトーンで言った。
「彼女は結婚していないそうだ」
「は?」
「清水絵莉だ」
突然何を言い出したのかと虚を突かれたが、すぐに昨日の女性のことだと理解をして聞き返した。
「ああ、彼女ですか。結婚されていないとは・・・いったいどういう・・」
「シングルマザーだそうだ」
自分の問いにかぶせて答えたその言葉を聞いて、ふと気になった。
随分と彼女の事について知っている様子だ。
そして今日の機嫌の良さ。
ある疑念が頭に浮かび、単刀直入に聞く事にした。



