「颯斗。私、いつまでも傍にいるから。いつか、私のことを思い出せないくらいに忘れてしまっても絶対離れないから」









考えたくないけど、颯斗はすべてを忘れてしまう。









そんな日が来ても私は離れたりしないと約束する。








それが私の出来る唯一のことだから。











「辛く、ない、のか?忘れるんだぞ?」









「うん、大丈夫?次は絶対に逃げたりしない」







すぐに逃げたりしてごめんね。






不安になったよね。






でも、もう逃げないから。








誰?って聞かれたら何度だって自己紹介するから。









「俺、良いマネ、持ったな」








「そうだよ。感謝してよね」




「凄く、感謝してる」









さっきまでの不安を拭うように、私たちは笑い合った。




































それが、私たちのことを覚えてる颯斗の最後の姿なんて誰も予想してなかった。