小さく言った颯斗の声を、私はしっかりと聞いた。 「え?」 「だから嫌だったんだよ。俺がそういう病気だってしったら、優杏が悲しむと思ったから。泣かせたくなかったのに」 「颯斗……」 自分が病気になっているのに、私のことを考えていたなんて、どれだけお人好しなの? そう思うと涙が少し引いていく気がした。