空の君に手をのばして





着いたのは診察室だった。





病院に来たのだから、診察するのは当たり前だ。






でも、何かが違った。
上手くは言えないけど、何かが違う。








「ど、どうしてその子が?」





颯斗が救急搬送された時に手術をしてくれたあのお医者さんが椅子に座っていた。






そういえばこの病院だったな、運ばれたの。






「あ、すいません。言い忘れていたけど、この子も私の子どもなんです。双子なんですけど二卵性だからあまり颯斗と似ていなくて」




「そ、そう、ですか」




お医者さんは半信半疑だったけど、それ以上何も聞いてこなかった。