空の君に手をのばして





日誌を付け終わり、私は教室に向かった。





そして、颯斗の机にそっと触れた。







颯斗がこの席で授業を受けていたこと。
この席でサッカーのことをノートに書いていたこと。
全部鮮明に蘇る。





何だか、颯斗が遠くに行っちゃったみたいで、胸がいたい。





どうしてだろう。
颯斗ともう会えない。






そんな気がするんだ。







「何してるんだ。早く帰れよ」






「あ。はい、すいません」








学校の警備員さんに注意されて、私は教室を出た。