空の君に手をのばして




「今日、出かけるって予定聞いてた?」





不審に思った春馬が私に聞いた。





「ううん。何も聞いてないよ」





「そっか。どこ行ったんだろ」







鞄から携帯を取り出して、颯斗に電話をかけようとしたその時。













「あの車、颯斗の家のじゃない?」







春馬が遠くを見ながら言ったから、それに誘われるよう私も春馬が向いてる方向を見た。








確かに颯斗の家の車らしき白いワゴン車がこっちに向かって来ていた。










「颯斗?」





その車は颯斗の家の少し手前で止まった。