「先生、颯斗のこと



















絶対に助けてください」























「全力を尽くします」






















お医者さんに頭を下げて、部屋を出て行った。

























部屋の前の廊下にあるソファーに座って、私たちはただ祈った。


























颯斗が助かりますように。

























そして、サッカーがまた出来るようになりますように。

























部屋の中は看護師さんがすぐ出たり入ったり出来るように、ドアを開けたままにしているから見ることが出来た。































「先生!まだ心拍数は元に戻っていません!」


















「くそっ!もう一回するぞ!」



















バン!























颯斗を懸命に助けようとするお医者さんや看護師さんの姿が見える。























ねえ、颯斗。



















あなたを助けるためにこんなに多くの人が一所懸命になっているんだよ。
























だから、死ぬなんて許さないから。
























絶対その閉じている目を開けて、その低くて優しい声で「ただいま」って言ってサッカー部に戻って来てよ。






















みんな待っているから。
































「颯斗。帰ってきて」






























私の小さな声は颯斗に届いたかな。