何だかとても大切なものみたいに必死で取ろうとしてるけど、誰から貰ったかは覚えてなかった。
「開けるわね。あらクッキーじゃない。ということは女の子かしら?」
お母さんがニヤニヤしながら俺を見てきた。
女の子……
「美味しそうねぇ。さ、食べなさい」
「あ、はい」
右手でお母さんからクッキーを受け取り口の中に入れた。
歯が動きにくいから、食べるのに時間がかかったけど味は確かに感じ取ることが出来た。
美味しくはなかった。
けど、何だか懐かしくて
愛おしい味がした。
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