空の君に手をのばして






それから何分かして、今度は乃亜が病室にやってきた。







「あ、良かった。颯斗くん部屋にいた。広間に行ってもいなかったからここじゃないかと思ったんだ」









乃亜は本当に病気なのかと思う程、いつも元気だ。










何の病気だっけ?
確か心臓がどうとか言ってたな。







「何しに来たの?」







俺がそう聞くと乃亜は笑顔で言った。








「んー?話しかっただけ!ダメだった?」








「別に」







乃亜が上目遣いで見てきた。











やっぱり








ときめかなかった。