「さぁな。俺そろそろ部屋戻る」 電動車椅子を、何とか動く右手で動かし俺は部屋に戻った。 もう少ししたら、この唯一動いてる右手も動かなくなるだろう。 「手伝うよ!」 乃亜が俺の車椅子を押してきた。 手伝ってもらったら楽になるけど、乃亜は俺の病室まで来たらまた話し出す。 今日はそんな気分じゃない。 「良い。自分で帰れるから。お前も早く部屋戻れ」 俺は乃亜の手を振り払うように、車椅子のスピードを速めた。 この車椅子は手がそれほど動かなくても、動かせるから便利だ。