空の君に手をのばして





ズキ





颯斗のその言葉を聞いて、心に鉛が落ちたみたいに重くなった。









それ、颯斗が病気になる前に私に言ってくれた言葉だよ。








春馬と桃花がからかって、一緒に遊園地に無理矢理連れて行かれて無理矢理観覧車に乗せられた時に、優杏といると楽しいし、落ち着くって言ってくれた。








それなのにどうして、その言葉を別の誰かに言ってるの?









「そう言ってもらえて嬉しいなぁ。でも良いの?今日も来るかもしれないんじゃない?昨日の彼女さん。なのに、私にそんなこと言って良いの?」










私のことだ。










乃亜さんは気遣いのつもりで言ってるのかもしれないけど、私にとったらただの当てつけだとしか思えない。











本当に彼女だったら、少しは気が楽だったのかな。